コラム

【ここに注意!】不動産に潜む重大リスク5選


 
近年、不動産価格の変動や土壌汚染、法制度上のリスクなど不動産に関する多様なリスクが顕在化しつつあります。
 
今回のコラムでは、不動産の重大リスクといわれる5選をまとめてみました。
 
1. 遵法性(デューデリジェンス)を満たしていない
 
法に適合していない建物は、大きなリスクを抱えています。確認申請書類・検査済証の有無など建物の手続きの履歴を調べ、現地でも明確な法違反や不適合がないかを事前に調査することが重要です。昇降機などの建築設備や工作物(機械式駐車場・看板・擁壁等)についても申請・確認・検査の一連が法令や条例に基づいて適切に行われている必要があります。
 
遵法性を満たしていないと、建物利用に伴う安全性リスク(利用者の生命・身体を損なう危険)、用途変更・増改築に伴うリスク(違法な部分を法適合させることを求められる)、売買契約時のリスク(違法建築であることによる減価、法適合化による労力とコスト)が高まります。
 
2.土壌汚染・地下水汚染がある
 
土壌汚染とは、工場などで使用された有害な化学物質や排水が地表面から浸透し、土壌に蓄積されている状態で、地下水を通じて汚染が広く拡散してしまうケースもあり、人の健康や生活環境に甚大な影響を及ぼします。土壌汚染は目に見えない土壌中で発生するため、売買契約時には発見されず、行政の事前審査や工事中に発見されることも多く、当初計画にはない浄化費用や必要期間が発生し、開発計画自体、中止を余儀なくされる場合もあります。
 
3.建物(設備)内に有害物質(アスベスト・PCB等)の含有がある
 
空気中に漂うアスベスト繊維を吸引すると、肺の組織にダメージを受け、肺がんや石綿肺などの症状を引き起こします。アスベスト含有建材が使用されていることが分かった場合、専門家の判断により除去・封じ込め・囲い込みなどの対策が必要となります。調査や除去工事には国や地方公共団体により補助金が出る場合もありますが、高額な負担になることも多くあります。PCB(ポリ塩化ビフェニル)はかつて電気機器の絶縁油などに使われており、慢性的な摂取により体内に徐々に蓄積し、様々な症状を引き起こします。
 
4.地震リスクが高い
 
地震の多い日本では、地震発生時の建物被害が対象不動産の収益性を著しく低下させる可能性があります。投資及び運用の判断を行う上では、「PML」(Probable Maximum Loss:予想最大損失)といわれる数値を用いて、地震により予想される損失の定量化を行います。また1981年6月以降の建築確認においては新耐震基準(震度6強~7程度の揺れでも倒壊しないような構造基準)が適用されており、新耐震基準に適合している物件かどうかが投資適格性を判断する目安の一つになることがあります。新耐震基準か否かを問わず、耐震改修促進法に基づく耐震診断又は耐震補強工事の実施があるかどうか、その内容の把握もリスク判断に有益です。
 
5.地下埋設物・埋蔵文化財がある
 
地下に、既に取り壊された建物の基礎、コンクリートガラ、杭、井戸、浄化槽、下水管等の埋設物が売買契約後に発見されると、その撤去費用に高額な費用がかかったり、建築ができなくなるなどのリスクがあります。土地のこれまでの利用状況や周辺環境も踏まえて埋設物の可能性や責任の分担を契約前に十分取り決めておくことが理想です。周知の文化財包蔵地として指定を受けている場合は、過去の調査結果や周辺地域での対応方法、試掘及び本掘の要否によって建築工事の延期・中止や甚大な費用負担など、大きなリスクにつながる可能性があります。
 
いかがでしょうか。不動産の取引は、金額も大きく、専門性が高いものですが、どのようなリスクがあるのかを理解した上で、戦略的なリスクマネジメントを行うことが重要です。

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